アメリカのコミュニティを視察しに行きました

視察に行ったエリア
注釈が必要なところが多々あると思いますが、今感じている事を書き出していきます。

(@アメリカの住宅市場について) ・ニューアバニズム・伝統的近隣住区開発の手法により開発されたメリーランド州ゲイザーズバークのケントランド地区 (Washington.D.Cの北西にある、Gaithersburgにあるkentland) という住宅街。 ここは、DPZ(米国東地方でニューアバニズムによる開発をはじめ、 もっとも多くの開発事例を持つ会社)の開発したコミュニティのひとつ。

ケントランドはワシントンDCよりハイウェイを通って約40分(28マイル=45km)にある郊外型の住宅街です。 (福岡市からで言うと鳥栖位の距離??アメリカはハイウェイが 発達しているので、街を出たらすぐハイウェイで、かなりの距離が近く感じます。)

ケントランドは、豊かな自然とその地形を生かした住宅地です。
ケントランドを視察してみて
住宅街、
集合住宅街、
マーケットエリア、
コミュニティセンター
などのエリアに分かれています。

この住宅地が、資産形成に寄与している(つまり人気の高い・不変である)理由として私なりにまとめたのが以下の3点

1ニューアバニズムによる開発手法
 ・徒歩圏内
 ・近隣コミュニティの絆
 ・様々な世代・地位の人が一緒に暮らす
 ・全てがそろう(学校・ショップ・公共サービス・その他サービス)
 ・自然を生かした地形等

2自治管理体制
 ・街並みに関しての厳しい規制
 ・街並みに関わらず、地域の祭りや決りも自治活動が盛ん
 ・近隣の結束が強い

3教育・コミュニティ(治安)が高水準に保たれている
 ・学校の教育水準
 ・同じ思考の人が集まるコミュティ
ケントランドに在住している人にヒアリングしてみて
ここを開発したDPZの方、またそこに在住する方にお話を聞くことができました。

彼女はkentlandのタウンハウス(日本で言うと長屋)に住んでいる、 2人のかわいいお子さんを持つ方です。
ご主人は建築家。
さらに、ニューアバニズムの開発を行なっている会社だそう。

何よりも一番驚いたのは、
彼女の住んでいるタウンハウス(住棟が連続していて、敷地が共有) についての現在の資産価値が、購入したときよりも約2倍の値段になっているそう
日本ではありえない話。
またとてもお気に入りのここ、「ずっと住みたいですか?」の質問にさらりと 「や、すまないですねー」との言葉に、やはり、 住まいに対する意識の違いを感じる。

なぜ、このケントランドがいいのかの質問に

・全てが徒歩圏内
(スーパーマーケット・スターバックス・小学校・老人ホームも・病院も・郵便局・銀行) 勤め先も近くにある

・周囲の同じような住宅街に比べ、平均1.3倍高いので、それなりに 年収の高い人が住む

・近くに医療福祉系の研究機関が多数あり、そこに勤めている方が多い
ゆえに、学歴・収入も高い方が多く、子供の教育に関心も高いし、 求めるものが似ている

・コミュニティを大切にしている

・近所づきあい・近所でバーベキューパーティなど

・ゆえに、近所にはどんな人が住んでいるか分かる。
彼女が挙げてくれた近所の人は 医者、弁護士、会計士、建築家、研究者、大学の教授・・・など いわゆる社会的地位が高めの職業の方々・・・ 「教育に対する思いも似ている」

・市の管理する公園・フェスティバルが行なわれる

・自治組織が発達していて、ドアの色ひとつ変えるのにも、その組織での 同意が必要
確かにDPZでもらった決まりは外観・庭などに関してのかなり細かい規制がある。

・住み替えは当然ながら、もし、可能ならば同じケントランド内に住みたい。

・2世帯、という暮らし方はないが、親世帯、子世帯が近くに住んでいる事はある

・日本人も自分が知っているだけでも数名いる。(これは単なる情報)

との事。

アメリカでよくある、ゲーテッドコミュニティに対して、 ケントランドは隣地との境にまったく隔てのない、オープンコミュニティ。

ゲーテッドコミュニティというのは、住宅地の周りを柵で囲んで、 守衛をおき、外部からの侵入者をシャットアウトするような手法で、 その土地の治安を維持するという、アメリカ富裕層が住んでいるイメージのあるコミュ二ティ。

対して、ケントランドのような、ニューアバニズムによる手法は 近隣の関係をより良いものにし、地域住民が連帯して犯罪を防ぐ また、未然に防止するような仕組みであるといえる。

NYのグラマシーパークで感じたある意味の悲しさは、(今度アップします。) 『ゲーテッド』だったからだと気付いた。

つまり、人工的、強制的に守らなくては守れないということ、 その大前提として、もう治安が不安定な社会であるということ、 さらにその上で、自分の身は自分で守らなくてはならないということ。

確かにまずは自分の安全の確保が先ではあるが、 自分がよければ他はいいのか、、 というような疑問をもってしまったからではないのだろうか。

自分は、どちらかというと性善説だからかもしれない。
アメリカ(米国)視察 2010.5月
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